はるおのブログ

社会人3年目。日本語教育のこと、韓国のこと、これからやりたいこと…色々。

NPO法人POSSE主催「時給300円で働かせられる外国人技能実習生~私たちにできること~」

おはようございます、はるおです。

今回も昨日伺った講演会のことを書こうと思います。

なんかそういう記事ばかりだから、次の記事は自分の趣味のことでも書こうかな…笑

 

今回参加したのは、こちら!

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このタイトル、中々にインパクト強いですよね。

事実なんです。(残業代が時給300円という目に遭っていた実習生がいました。)

NPO法人POSSE主催のイベントでした。確かTwitterで、#技能実習生で検索をかけた時に見つけました。

これはイベント前日に気付いたのですが、1人目の講演者である指宿昭一先生は、衆議院法務委員会に参考人として出席されていた方なんです。Youtubeで様子を拝見していたので、生で先生のお話を聞けることが本当に貴重なことだと感じ、足を運びました。

技能実習生や外国人労働者に興味関心のある方が、ざっくばらんに集まったため、先生も大変丁寧に状況をお話ししてくださりました。いや、ほんとこれどうやってまとめよう。

指宿先生の講演の後には、POSSE代表理事でいらっしゃる今野晴貴さんからNPO法人による外国人支援の方法というタイトルでお話頂きました。

(伺ったことは★で箇条書きにしました。)

 

指宿先生からのお話

技能実習制度

★実際3K(=キツい、汚い、危険)と言われる仕事に外国人労働者が従事しているという状況がある。

★多くの技能実習生は、出稼ぎ労働力確保のために成立している。

★悪質なブローカーが手続き・教育料金という名目で多額のお金を支払わせている。本来、手続きや教育やかかるのは20万程度なはず。国にもよるが、倍程度のお金を払って日本に来る実習生も少なくない。

 

強制送還と強制帰国

みなさんは、この言葉の違いをご存知ですか?これ、片方は違法行為なんです。私も今回知りました。

 

強制送還:犯罪等を犯した外国人に対して、国が行う帰国処置のこと

強制帰国:何の権力もない人が、勝手に帰国させること、 だそうです。

要するに、強制帰国はあってはならないことなんです。

しかし、技能実習生は強制帰国という言葉で脅されたり、実際に協同組合(実習生を扱う企業を取りまとめている機関)や企業の人にバンに乗せられて空港に連れていかれ追い出されるように帰ることを強いられることが往々にしてあるそうで。

 

苦しい労働環境を労働組合等の社外に相談すると、そのリスクが上がるようで、労働組合に助けを求めた実習生を強制帰国させようとしている経営者と協同組合の実際の映像を見せて頂きましたが、言葉が出ませんでした。本当に。

平然と違法行為をしている姿…恥ずかしくないのか、と思うほどに憤りを感じました。

映像に移されていた実習生たちは、労働組合の職員の方によって守られたそうですが、あの様子を見ると日本人の状況を把握していて守れる人がいなければ強制帰国も比較的安易に行える環境があるのでは、と感じました。怖すぎる。

また、会社の人が実習生のパスポートを管理しているのも違法行為だそうです。タイムカードが2枚存在した企業の事例もあったそうです。

個人的には、動画を見て根深い悪質さを感じましたし、より現実に起きていることなんだとリアルに感じることができました。

 

★ブローカーと言われる機関は企業から1人当たり3~5万の管理費を受け取っている。数千人単位で送り込んでいる機関は、それだけで儲かる仕組みになっている所も。

技能実習生は、研修という名目のため原則、転職が出来ない。企業側に問題があって、転職可能な状況になっても引き受けてくれる企業は少ない。よって、実習生は、労働環境が過酷な場合、逃げるか戦うかを選ばざるを得ない。 

★企業の労働者確保がメインとなっていて、その対象となる実習生側のことはあまり考えられていない。

新制度について

★既に150万人以上の外国人労働者が存在する。今更「受け入れるべきか?」という議論はおかしい。

★日本人の雇用が少なくなるのでは?/日本人の賃金まで下がるのでは?という物議も醸しているそうですが…その考え自体が、日本人中心主義すぎる。日本は、既に多民族・多文化化してきている。だからこそ、外国人も仲間として考えなければならないこと。一緒に正当な権利や労働環境を守ろうとすることが必要。

外国人労働者の問題を通じて、労災に目が向けられ日本人にとっても労働を見直すきっかけとなりプラスに動くことも実際にある。日本人の賃金引き下げにも繋がりかねないからこそ、外国人労働者の権利・賃金からきちんと守っていこうとするべき。

バックドア・サイドドアだけではなく、フロントドアからの受け入れが必要。真正面から、 向き合っていかなければならない。

★特定技能2号は、永住申請が可能。そのため、長期的に見た時には必ず彼らのための教育・医療・社会保障が必要になってくる。具体的なことは何も決まっていないため、これから早急に議論していく必要がある。

 

 今野さんからのお話

NPOによる外国人支援の方法

外国人労働者の方の問い合わせも増加傾向にある。

★元々、日本には長時間労働パワハラに関して、取り締まる具体的な制度はない。それらが理由で亡くなっても、企業は賠償を求められることはあっても直接的に罰せられることはない。

★1つ1つ事例を明らかにして、表に出し多くの人の目に触れてもらうことが大事。当事者を支援することで、本人が権力を正当に行使できるようにする環境・社会をつくることが大切。

外国人の不法滞在者であっても、労働法は適用対象

帰国すると権利行使がしがたいことを利用して、強制送還や不当な退学扱いや資格の喪失の処理等をする戦略的行為が行われている。

 

質疑応答でのお話

★専門学校と企業がタッグを組むことはあり得る。(現在も、アルバイト先を提携先としている所はあるらしい)ただ、提携先の企業へ就職しないことを理由に卒業資格等を出さないというようなことはあってはならない。そんな権利は学校にはない。

同一労働同一賃金ということで、外国人も日本人と同じ額でないといけない。しかし、どの層の日本人と同一にするのかで違ってくる。

★中小企業が外国人労働に大きく携わっている。それらの中小企業の関わっている大企業に言及するといいのでは。「法的責任はないものの、社会的責任はある」という主張の仕方が大切。

★社会問題として取り上げること、組織化して取り組むことの2つが必要。

★国際的な決まりがないと、国内だけでは解決しない。国内外のブローカーの問題が野放し状態。日本の法律では禁止にしていても、取り締まることはないために国外ではほぼ効力を発揮していない。

新聞販売店も外国人留学生に頼っている。よって、新聞での報道もされにくい状況があるため、ネット等での情報伝達のアプローチが必要不可欠。

★制度自体は、転職できること以外大きな前進はないが、制度をつくる段階でこれらの外国人労働の問題が明るみに出たことは良かった。

 ★労働環境や待遇以外の問題では、宗教への理解不足による問題や、アジア人への差別的思考、文化の違い等での問題もある。頭ごなしに指摘するのではなく、お互いに認め合いコミュニケーションをとることが必要。

★日本の機関でも内部告発は増えている。

★実習生には、もっと「技能実習生も、労働者としてしっかり日本の法律で守られている、相談する権利がある」ということを伝える必要がある。

 

私が考えたこと

むうううう。問題の根深さを実感したというか。私たちができること、となるとやっぱり具体的なものをあげることが難しい。

こうして実態をブログとして書くことや、これを読んでくださった方が外国人労働者だけでなく自身の周囲や日本の労働について見直してくれたら、少しずつ変わっていくのかな。うーん。それが外国人労働者まで反映されるのを考えると遠い道のりすぎる…

 講演の後にPOSSEの方とお話した中で外国人労働者への日本語教育へのニーズも垣間見れました。私も素直に力になりたいな、と思いました。(そして、あのボリュームの講演会が無料なのすごい。)

技能実習生に関しては、恵まれている実習生もいるからこそ、その格差が大きすぎてはいけないと思います。全員が法律に守られて働くことができるなんてことは当たり前なハズなのに。ある程度格差をなくすことは、法律や制度として詳細を固めることで、可能だと思います。

 

あの、なっがいブログですみません。(逆にここまで読んでくださってる神様なのか?ありがたや)

ちょっとこれ分かりにくすぎるからA4くらいのサイズに分かり易くまとめたい…なんていうんだっけあのカタカナ4文字の…リ、なんとか?みたいな言葉だった気が。あれにチャレンジしたいと思ってたんです…iPadないから手書きでやるけど。なんだっけかあれは。もやもやする。

 

…思い出せない。以上、はるおでした。